宇沢弘文 (近代経済学者 東京大学名誉教授)
本来の自由主義は国家権力に対して非常に懐疑的なわけですね。自由主義は国家権力に自由の領域を対峙させる。ところが新自由主義はそうではなくて、権力との距離が非常に近い。たとえば、この数十年来の新自由主義的政策は個人の自由を拡大するよりは法人企業や国家を強力にするための政策だったという感がある。新自由主義者が政治家の右腕となって、そうした政策を推し進めていく。つまり新自由主義には非常に国家主義的なところがあるのです。小さな政府をめざすといいながら、結果として大きな国家をもたらしている。
「世界」1月号 「対談 いま、ケインズを読む意味」より一部抜粋