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米ゴールドマン、公的資金返済しても経営の自由奪還は困難(ロイター)
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[ニューヨーク 13日 ロイター] 米ゴールドマン・サックスは、普通株発行で調達予定の50億ドルを手に、米不良資産救済プログラム(TARP)で注入を受けた公的資金を返済することが可能かもしれないが、経営の自由を完全に取り戻すのは難しいとみられる。
ゴールドマンの第1・四半期決算は、市場予想を上回る純利益を計上。世界的な金融危機に対して、ライバルよりもうまく対処している。
ゴールドマンの株価は昨年11月に過去最安値をつけたが、今ではその水準の倍以上に回復した。年初来では50%超の上昇となっている。
ゴールドマンは、全体で7000億ドル規模のTARPから100億ドルの注入を受けている。専門家によると、公的資金の受け手には、報酬や経費、買収などに政府の強い監視が及び、頭痛の種となっている。
銀行や規制に関する独立系のコンサルタント、シェイマス・マクマホン氏は、ゴールドマンは規模が大きく、金融システムへの重要性も高いことから、公的資金の返済後も規制当局は監視することを望むと指摘。
同氏は「仮に公的資金を返済したとしても、ゴールドマンは本当に経営の自由を得ることができるのか、これが問題だ」との見方を示した。
ゴールドマンの第1・四半期は黒字だったが、それはトレーディングで積極的にリスクをとったことが背景。また、第1・四半期の従業員報酬が、前年同期をおよそ35%上回る水準だったことも明らかにした。
当局は、ゴールドマンが公的資金を返済すれば、財務状況が劣る他行も返済に動く可能性があることを懸念。さらに、ゴールドマンやウェルズ・ファーゴなど政府支援が不要な銀行と、シティグループなど支援が必要とみられる銀行、というように、銀行業界が二極化していると受け止められることも、当局にとって大きな懸念材料だ。
ゴールドマンのほか、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカも、公的資金返済の意向を示している。
法律事務所ジョーンズ・デーの銀行専門パートナー、チップ・マクドナルド氏は「大手が口火を切れば、他行も追随するだろう」と述べた。
<ゴールドマンは当局に挑戦状>
ゴールドマンが四半期ベースで赤字を計上したのは、2007年半ば以降で1度だけ。他行が4四半期かそれ以上、赤字を計上したのに比べて、ゴールドマンは金融危機をうまくかわしてきた、と言えるだろう。
ゴールドマンは普通株発行により、財務力を評価する上で注目される有形普通株式株主資本(TCE)が高まり、財務は一段と強化される。
マクドナルド氏は、公的資金を受け入れてもTCE比率は上昇しないため、ゴールドマンの株式発行は好材料と受け止められる、と述べた。
同氏は「当局は銀行に適切な水準の資本を持たせる必要がある。資本水準が適切ならば、公的資金返済に反対する理由はない」としている。
当局はいずれ、公的資金返済を受け入れるかどうか判断を迫られる。
コンサルタントのマクマホン氏は「ゴールドマンは当局に挑戦している。政府に対して、他の金融機関とは違うと、示唆している」と話す。
「ゴールドマンがなぜ返済を急ぐのか、理解できる。ただ政府のほうは、返済を慌てて受け入れるわけにはいかない事情がある」と述べた。
(Paritosh Bansal記者;翻訳 吉川彩;編集 宮崎大)